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大人の恋は日曜日のテーブルに


Sunday Table (曲名からの想像劇です)
※Pink Martiniをi tunes検索していました。

Pink Martini 曲名:Sunday Table


 日曜日のブランチ・タイム。テーブルに冬の優しい陽光が差し込み、花瓶の花が嬉しそうなのは、昨夜泊まった恋人が僕のYシャツだけの姿で台所に立っている。入れ立ての珈琲の香りに、トーストの香ばしさと、お得意のオムレツを焼く匂いが混ざり、昨夜の余韻と共に身体を包んでくれる至福の一時なのだ。

 彼女の台所での仕草をじっと眺めているだけで、彼女を抱きしめたくなり、そっと近付き襟足の残り毛に唇を触れた。彼女はビクッとし、肩を可愛くすぼめてクスッと軽く甘えるような声にもならないような声を出した。
こんな時の彼女は可愛くて、傍に居てくれるだけで良いと思った。

 ハハハ みっちゃんとの新婚時代はこんな場面もありました。子育てが終わり、二人の生活になった頃にも、台所に立っていたみっちゃんを後ろから抱きしめると、首を後ろにそらし、クスッと笑っていました。
会いたいなぁ〜

 アイが休日になると、たまに台所仕事をしてくれました。
後ろから近付くと『かっちゃん、おめでとう』と派手に放屁をしました。そのタイミングの良さは、待っていたようだったんです。アイの体型は父親譲りなのか、お腹が子どものように膨らんでいて、Tシャツの上からでもハッキリ見えました。最近の写真でもあまり変化はないようなんです。大人の恋とは縁の無い、未だ子どもの素直さを色濃く残しているんですね。1979年ですから32歳で立派な大人なのに、彼女の恋の遍歴の少なさが判ります。
そうそう、此処に居た頃、元恋人だって男の子の写真を見せてくれました。破っていいよと言って手渡しながら、別れた理由を聞かせてくれたのです。
中国を立つ時、空港まで送ってくれ、毎日メールをするからと言ったのだそうです。
ところが、日本語学校へ通いながらバイトに宿題、予習と寝る間も惜しんでいた時、帰りが遅くて男が出来たのかと嫉妬し、怒りのメールや電話が頻繁だったそうな。それに嫌気が差して無視をするようになったとか。
男の側から想像すると判らないでもない。甘い恋人時代のやりとりが一変するのだし、会えないことも嫉妬心を掻き立てたのでしょう。

 花屋のマリもロマンティックとは縁が無い。瞬間瞬間を刹那的に楽しみたいようで、繁華街だとゲームセンターが気になるらしい。初めてのデートに奈良へ行った。奈良町の商店街を歩くと、シックな店より華やかな店に興味を示した。とあるブティックに僕が入る。後ろから付いてきたマリにマネキンの服一式を当て、着替えろと言った。着替えたマリは子どものようにはしゃぎ『可愛いっ』と言った。店員さんに着てきた服を袋に入れてもらい、清算した。
マリは僕の腕にしがみつき、『嬉しいっ』と言った。それを見てた店員さんが『ラブラブですね』と言った。
店を出て歩き出してマリは小声で言った『かっちゃん、嬉しいけど援助交際みたいで嫌っ、だからお金は使わないでね』と言って組んだ腕に力を入れた。
 僕「援助交際ってのはさ、身体だけが目的の助平なオッサンのすることで、僕はそんなことを求めたりしていないやろ?」

マリ『そうなんだけど、お金を使ってもらいたくないだけ』 

 マリが家に来た。仏壇に花を供える口実と、放置したままだった庭の手入れをするためだった。
花壇に花を植え、雑草を抜いてくれた。その時、隣りの奥さんが庭に出て洗濯物を干していたそうだ。
マリは奥さんに臆面もなく挨拶をしている声が聞こえる。 
その頃のマリは23歳だったから親戚だと思われたかもしれない。
二階に住む純子ちゃんが翌日に訪ねてきた。料理のお裾分けだと言って、煮物の入った鉢を差し出したので「お茶でもどう?」と言うと、鉢を持ったまま上がってきた。
彼女にはインテリアを仕事にする旦那と三人の子が居る料理好きな人なのだ。
話題は、昨日見えてた女の子に興味を示したのが判る。経緯を正直に答えた。

純子ちゃん『かっちゃんの彼女なんや、幾つなん?』

 僕「23やと聞いてる」

純子ちゃん『かっちゃんて幾つ?』

 僕「え〜っと61になったかも」

純子ちゃん『え〜 それって犯罪やん。よう話が合うね』

 呆れたような顔に珍しい動物でも見るような目を向けた。
昨日、マリが汗を流したいと言って風呂貸して欲しいと言った。風呂に入っている間に汚れたジーンズや下着類も洗濯してバスタオルを出しておいた。
上がったマリは素肌にバスタオルだけを巻き付けて出てきた。

 マリを送って行ったのは午前1時になっていた。
遅くなっても親は無関心だから大丈夫と言って、帰ろうとしなかった。 
それから数ヶ月が経った。買ったばかりのバイクの後ろに乗せ、食事をして職場の駐車場に向かった。
職員用の駐車場に着いたら、マリの車の横に婦人が立っていた。マリが言った『お母ちゃんや』
挨拶をするためにフルフェイスのヘルメットを取った。暗がりを透かすようにしていた婦人が左の方に静かに倒れた。慌てて走り寄り、抱き上げて後部座席に寝かせ『帰れ』と言った。 
翌日、マリが涙を流しながら言った『お母ちゃんが怒ってるねん。援助交際してるって』 

 それから数回会って、いっぱい話をして別れた。 そして別れた事を息子の嫁に伝えた。
息子の嫁からもクレームが付いていた。それは年齢に対してだった。自分より年上にしてくれと云うことだった。
恋をするって難しいです。二人が愛し合うだけではいけなかったんですね。周囲から横槍を刺す人が出てきます。ましてや、大きい年齢差になると横槍の本数も多くなります。老人の恋を不潔だとか思う人も少なくないでしょうが、大人が熟しての恋はSexよりもハートの交流が主体になります。ですが、身体を求めるのも事実で、愛が極まる時、求めあうものではないでしょうか? 

 日曜日のテーブルから発展しましたが、ステロイド効果で高揚しています。忘れてくださいね。
    
 
 

 

 



今日はラテンのリズムとジャズに酔っています。
Pink Martini 曲名:Una notte a Napoli 訳 イタリア語 ナポリの或る夜


 Emmy Curl 曲名:Mine


Pink Martini 曲名:Donde Estas Yolanda 訳 スペイン語 何処にいますかヨランダ


 Pink Martini 曲名:Lilly

by kattyan62 | 2012-01-22 14:31