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偏見


小学校は勿論、中学校当時にも偏見はなかった。

 中学校の同級生に部落民と呼ばれた家庭の子、朝鮮族の子らも居た。
脳性麻痺だった子は体臭が強く、いつも僕に組み付いて相撲のような事をしてきたのは、僕が小柄だったからだろう。
 朝鮮族の級友に誘われるままに、彼の家を訪ねたことがあった。
家と云っても本建築じゃない小屋のようなものが大和川の堤防に隣接して数軒が建っていた。
玄関を入るとお母さんが出迎えて、言葉優しく歓待してくれ、お茶や菓子を運んでくると『仲良くしてやってくれてありがとうね』と言われた。戦後、日本人による人種差別での苛めや虐待があったことを知らなかったから、お母さんの言葉の重みすら感じずにいた。
彼の家を訪ねたこと母親に言い、接待と百円の小遣いを貰ったと伝えた。 母は何も言わず頷いただけだった。
数日後、彼と帰る約束をした。頭の中では百円がちらついてたが、この日はお母さんが留守だった。
それから数日経った或る日の昼休みにクラスの女の子が僕に言った。『前田君、あの子は朝鮮人やから近付かん方がええよ』 と言い、その意味が理解できずに強い言葉で「何でやねん」と言った。

 みっちゃんの養母さんから受け継いだ借家が3軒あった。うちの一軒に韓国人の家族が住んでいた。
或る日、電話が入り、トイレの水が漏れていると云うだけの事なのに直さないと家賃は払わないぞと電話口で怒鳴る。家を訪ねた。
電話で怒鳴るような事なのかと言い、消耗に関する事は家主は関わらないと説明し、嫌なら出ろと詰め寄った。
彼は謝り家賃を出し、縫製の仕事が上手く行かずにイライラしていたと言い訳た。

 テレビで韓流とあるだけで避けていた。
メールママ姉妹が韓流にハマっていると聞いていたが、変わらず避けていた。
或る日、観るものもない時に[宮廷女官チャングムの誓い]を観た。直ぐに落ちた。
その後のシリーズを録画した。主演のイ・ヨンエとパク・ウネ、チ・ジニのフアンになってしまった。
それ以来、韓流ものも好んでではないがたまに観るようになった。しかし、彼ら特有の噛み付き、わめき散らすを探しているのも事実なのだ。
 西欧の映画でも、男女が喧嘩をする場面になると、相手の話を聞かずわめき散らすことがある。
あれはどうもいけません。激怒したとしても冷静さが消え感情が先行してしまうのを嫌う。
 
 僕も過去に激高したことはある。 銀行の支店長代理に対して激怒した。
小切手を不渡りにしたことに対してだった。
娘に7万円の入金を頼んで旅行に出掛けたが娘が入金を忘れていた。
当然、普通口座から移せば済むことなのに不渡りにしたことへの怒りだった。
忘れた事が悪いのは判るが、普通口座には充分な残金があり、電話をして振替えると言えば済むことをせず、不渡りの重さを知る銀行員の不誠実さに腹が立ち、文書で抗議しておき面接した。 
大声を出さず、抗議をし理由を尋ねた。 彼の答弁はあくまで当座預金残高だけを見てのことで怠慢だったと言え、申し訳ないと支店長が詫びた。これは、事前に仕組まれた詫びの手順だと思い、詫び状を書くように詰め寄った。渋々ながら支店長名義で書いた。
書類を鞄に入れながら弁護士に相談して損害と名誉毀損で争うことを示唆し辞した。

 偏見、それは教育から生まれ、経験が増幅させる。
しかし、偏見をしない姿勢を常に持っていることで、偏見は消えるものだと思う。
僕の過去には強い偏見をしたことも否めなず赤面する。

by kattyan62 | 2011-12-11 12:48