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『相変わらずよ』



昨夕の事だった。

 お弁当が宅配されてきた。
此処、準老人&障害者ホームになっているため、時刻に合わせて数人の老人に弁当が運ばれてくるのです。
歩いて、或は自転車で買物に行けない人や、自炊の困難な人にです。
隣りの棟の二階に住む奴は僕より若いのだけど、自炊そのものが出来ないって理由で弁当を運ばせているそうな。 僕も独り住まいをするようになって10年になった。最初の数年は、三度三度を外食に頼っていた。
 残念ながら、外食だとみっちゃんの手料理のようにも行かず、悩んでもいた。
冷凍庫に勿体なくて食べれない[みっちゃん製のカレー]を寝かしてあるが食べると、みっちゃんが消えてしまいそうな気がした。
※みっちゃん製のカレー=数年経過後、煮込み直して食べました。

 自炊の切っ掛け
みっちゃんと暮らしたマンション時代、花屋のマリが、女友達を呼んで好き焼きパーティをしたいと言った。理由は、かっちゃんを友達に紹介したいのだと言った。
当然ながら彼女らの日常は仕事があるのと、かっちゃんの手料理と言うのに乗せられ、勇んでデパ地下へ走った。
人数は僕以外に4人だそうで、人数に合わせて上等の牛肉や他の食材を仕入れ、ビールやワインで3万円程にもなった。
しかも好き鍋の大きいのも買った。

 コタツに彼女らを侍らせ鍋と格闘。何せ二十歳そこそこの連中だから、食欲と胃袋はデカイのです。
一人300gの肉は流石に余り、中の一人が『こんな良い肉は買えないわ』と言ったので、帰りに土産に持って帰った。二十歳そこそこの同窓会に先生役として60代の僕が入ったと思いましょ?  いえいえ、少しだけヒネタ同窓生だったのです。ガールズ・トークは化粧から衣服、腋の処理から音楽に下着の話に恋人作りまでと時間は尽きず。
各人をマリの車と手分けして送り、家に着いたのは午前2時だった。
各人の家人の心配もあろうかと、同窓会の写真をそれぞれの携帯電話で撮影して持たせた辺りは、親の顔になっていたのです。

 その一件に前後して、娘が[自炊のすすめ]なる文庫本を送ってくれていた。
一度期にはいかないものの、四度に二度は自炊するようになったのです。以来、7年程になりましょうか、今では、食事の大半を自炊しています。浜松に来て余裕の無さもありますが、出掛けることすら面倒になりますから、素っ裸で居られる家で、インスタントな食事で済ませてしまえるのは、或る種の贅沢だと思っています。
 
 夕飯が届いた。
娘からだ。『後5分で着く』と言って切れた電話で着替えて外に出た。
アパート前の坂道の入り口にカーライトの明りが入ってきた。 見慣れない車に反応せずにいたが、頭の中で瞬時に記憶を探って気が付いたのだ。婿の通勤用の軽四に違いないと察して廊下を出たら、運転席には婿のサム君(ハンドルネーム)が見えた。駆け寄ると、助手席からレジ袋がヌ〜っと出てきて『相変わらずよ』と言って闇に消えた。

 『相変わらずよ』
モロゾフのクリーム・チーズ・ケーキと牛めし弁当。  ご馳になります。
(チーズ・ケーキは撮影すると一回り小さくなるため撮ってません)
『相変わらずよ』_f0064891_1440861.jpg


 元来、嫁の父親なんてのは煙たいもんだ。自身の経験を盾に一途で、悉(ことごと)くに口出しをしたがるもんなのだ。理由は簡単、手塩とは言わないまでも、気合いを居れて育てた上げたものを、『いただきます』とだけ言ってアッサリ持って帰るのだから、父親としては何かを言わなくっちゃ〜割が合わないわけよ。
しかも、デートに誘うつもりの電話に「留守です」とウソを付いた、”そんな親父に何で餌を運んでやらねばならんねん”と考える内心が超能力で読めるのだ。ハハハ ざまぁみろ  後、15年もすりゃ〜同じ目に遭う、しかも二回もだぞ。  
 ただ残念に思うのは、婿が良い奴ってことなのだ。嫌な奴なら憎めもし、離婚させようなんて考えられるのだが、何事においても良い父であり、良い夫なのなのだから仕方がない。残念なのだ!!  ハハハ ありがとう

 先日、娘が誘ってくれ、京都のオークワホテルで千花ちゃんと食事のテーブルに着いていた時に、電話が鳴った。切っておくことさえ忘れてしまう感動に包まれていたのだった。
中国からアイが掛けてきたのだった。半年と13日振りになる。シチュエーションを説明して切った。
メールが来た。操作ミスで一瞬の内にゴミ箱へ入ってしまったのだ。
昨夜、返信をした[白ヤギさんたら、読まずに食べた]と。

 

by kattyan62 | 2011-11-11 15:38