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人妻とデート


人妻から「京都へ行くよ」と電話があった。

 暫くして車で迎えに来てくれた。人妻に、長丁場の運転だから代わるよと伝えたが、無言のままに発車した。
東名高速道を西へ、西へと向う。懐かしい風景が現れ、後ろへ消えて行く。みっちゃんと、何度も行き来した道で感無量。

 京都へ着いたのは午後2時半を過ぎていた。待ち合わせ場所にも、妙齢の女性が待っている筈なのだ。
ホテルのロビーへ独りで入った。同行していた人妻は、車を駐車すべく、京都市が運営する地下駐車場へ置きに行くのに、待ち人に少しでも早くと下ろされ、独りでロビーへ向かったのだった。
豪華な作りのホテルのロビーを一瞬の内に見渡し、待ち人を探した。

 待ち人と逢うのは初めてだった。知り合ってからは8年にもなろうに逢うのが初めてだったのです。
彼女とは、以前にも逢うチャンスがあったのだが、約束の日の前日に、浜松へ引っ越しをした経緯があり、ある意味、悶々としていたのが、ついに実現することになったのだった。

 ロビーを数歩歩くと、一番奥の女性が立ち上がったのを目敏く見付け、間違いないと思った。
笑顔の彼女は、長い脚でズンズンと向かって来る。 過去にドタキャンした経緯もあり、嬉しさが込み上げてきた。ハグをするぞと考えていたのに、目の前にすると、頭は雲の上にでそうな大女。いやそんな人間が居るわけがないのだが、実際の身長より遥かに大きく見え、たじろいでしまって右手を差し出した。

 ロビーで軽い会話をしているところへ人妻が現れた。ロビーの彼女に紹介をした。
 僕「千花ちゃん、娘です」 はい、人妻とは娘だったんです。

千花ちゃんと娘、そして僕との会話は、流れ出る水道水のように途切れることなく、午後10時近くまで続いた。
思えば、千花ちゃんが僕の書き出したブログの最初のコメンテーターで、2003年頃だったろうか。
以来、途切れることなく続いたブログ上の友達で、娘とも交流がある。

 僕の希望で、イタリアン・レストランへ入った。ラストオーダーが20時で、21時には追い出すのだそうだ。
生ハムの前菜に始まり、食べながらも会話は途切れない。同じ関西圏の三人は、気兼ねなく話せ、言葉の端々の機微も見逃さず笑う。
こんなにも楽しい時間を持てたのは久しぶりで、アイが帰国して以来だわと思っていた時、電話が鳴った。
出るとアイだった。何とも奇遇、嬉し過ぎて気絶してしまいそう。

 満腹になり、彼女を家まで送り、別れを惜しんで離れ難い。
逢う=別れ=次回の逢うのが楽しみ。娘は次回の出逢いを約して別れ、助手席に身を沈めたが、身体が重い。

 

by kattyan62 | 2011-10-29 02:36