赤カブ


昨日、娘の家から3日振りの我が家。

 息子が浜松に来た時に仏壇に参りたいと言った言葉を受けて、娘が言った『親父は広い部屋を狭く使う名人だっての覚えとるな、そのつもりでな』 そして二人が仏壇に線香をあげた。
そう言われたことも、出した物を直さないもんだから、昨年の春の衣服の上に夏服が乗り、またその上に今の服やズボンが乗せてある。床にはネジ釘やナット類がチラシの上にぶっちゃけてあって、瓶に入れてない。
つまり、室内に「けもの道」が出来ている。啓蟄まで片付ける気はない。
そんな家だが、何となくホッとするもんだ。

 娘の家のテレビがBSしか入らないから長居はしたくなかった。観れなくなったことをメールで知らせたら、猫がテレビの後ろへ入って、アンテナ線でも抜けたのかもと聞いたが、もう家を出た後だった。
僕は元電機屋だから、弄くれば直せるのだが、婿は僕以上に器用で丁寧だから、頼まれでもしない限りは触れない方がとそのままにしておいた。
家のテレビの電源を入れるとスカパーが映った。ホッ

 今日、娘にメールをした。
赤カブが程良く漬かったことを伝え、大きな入れ物を持って取りに来るようにと書いた。
暫くして電話が鳴った。娘が近くのスーパーで買物中だから寄ると言って切れた。
玄関の山積みになっている靴をレジ袋に入れて立てるスペースを作り、漬け物の中身を掻き回しておいた。

 呼び鈴が鳴り、ドアを開けると二人の孫がにこやかに立っていて、ドアの影からヌッと娘が顔を出し、新年の挨拶を受けた。 
娘が大きなタッパーの入ったレジ袋を突き出した。新品のタッパーを出し、洗ってからペーパータオルで水気を拭いて、カブを入れ出したが途中で娘に渡し、戸棚から別のタッパーを出した。
持ってきたタッパーにギューギューに詰めている。出したタッパーにも蓋を締めるのも難しいくらい詰めた。
半分どころではない、満タンあった梅酒瓶の1/4ほどしか残っていない。
 「随分と詰めたんやな」

娘『だって、ぎょうさん詰めろって言ったから』

 こうした遠慮のないのは血縁だからでもある。僕も別に怒ってもいないし、孫や婿が喜んでくれればと思っただけだし、そのために多く漬けたのだ。
娘らが帰って行ってから、漬け物に氷砂糖を足した。甘みが不足していたからだ。
分量より大目だったのだが僕には甘さが足らなかったようだ。
明日辺り、もう一度探しに出掛けようと思った。

孫が帰りにお年玉のお礼を言った。
年末に訪ねる際に両替をした百円玉を数え年の分だけポチ袋に入れて置いて来た礼だった。
子どもらが幼い時に千円札一枚と百円玉を年の数だけ出して聞いたことがある。
 僕「どっちがいいかな?」

 二人は幼い、見慣れ、使い慣れている数個の百円玉を指差した。しめたと思った。
二十歳になったからと云っても二千円で済むのだ。
二人が結婚してからの正月が来ると、みっちゃんは百円玉を集めるのに苦労していた。銀行で両替すれば済むのにと言ったが、彼女なりの拘りがあって買物の釣り銭を貯めていた。
正月になると夫婦で来る。重いポチ袋を渡す。ありがたくもなかろうが我が家の行事になっていた。
[PR]

by kattyan62 | 2012-01-04 00:32